講演依頼のスピーカーズです。
前回の記事に引き続き、落合博満氏をご紹介します。
甲子園、アジア大会に関連する注目講師!
2004年から2011年までの間、優勝計5回を成し遂げた落合監督の偉業。
現役時代は3冠王3回。
その実績を成した考え方はどこにあったのでしょうか。
目次は以下の通り。
1.「自分で育つ人」になる
2.勝つということ
3.どうやって才能を育て、伸ばすのか
4.本物のリーダーとは
5.常勝チームの作り方
6.次世代リーダーの見つけ方、育て方
采配、が示す通り球団運営をしていた経験から、
・自身が成長するためにはどうあるべきか
・勝つ組織を作るために必要な考え方
・リーダーシップ
・人材育成
について主に語っている本です。
読み通して感じたのは、落合元監督の整理された思考。
曖昧な部分、モヤッとした部分をできるだけ排除している。
スッキリと明快な方針を持っている方という印象が伝わってきます。
厳しいイメージを持たれがちな落合元監督。
しかし実際には人材を活かすことを何より重視した人物です。
できるだけ長く選手生活をさせてやりたい、勝たせてやりたいという本当の意味で選手思いな監督です。
中日ドラゴンズのレギュラーに必要な能力値が無いと判断された選手をどうすべきか。
ドラゴンズ就任一年目、落合元監督は「選手のクビ、大型の補強を凍結」しました。
しかし2年目に向かうシーズンオフ期間には、実に18人がドラゴンズのユニフォームを脱ぐことになったそう。
それはドラゴンズ内の激しい競争には勝てないが、他の球団であればやっていける可能性があるから。
別チームに移籍してから花開く選手も少なくありません。
ドラゴンズでレギュラー競争に負けたとしても、プロ生活自体が終わった訳ではないのです。
ただ、その場合はその選手が自身のチームの優勝を阻む壁になる可能性もありますし、ファンからは何故その才能を自分のチームで活かせなかったのかと批判されることもあります。
そのような理由からファームで飼い殺しにされる選手もいるとか。
落合元監督はそこまで考えた上で、できるだけ早い段階でクビを宣言したのです。
『采配』はスポーツについての本ではなく、組織内でマネジメントやリーダーを任されている人間のための本です。
リーダーが監督であれば、マネジメントはコーチの役目。
きっちり線引をし、任せるところは任せるが責任は自分が取るという姿勢。
組織内でトラブルになりがちなポイントを先回りして潰していくことで強固な地盤を持つ集団が完成します。
落合元監督が類まれな成果を残せたのは、組織作りに自身の「失敗」「成長できない時期」を活かせたからかもしれません。
ミスターこと長嶋元監督は、巨人の監督に就任した際に
「4番に長嶋がいない」と呟いたそうです。
プロ入りしたのが25歳になる年だったという落合氏。
長嶋氏のような野球エリートではありません。
その経験から、
「どう指導したら選手は自分で気づくのか」
「どのようにコーチに指導すれば選手は強くなるのか」
を徹底して研究したのです。
こちらの考え方を伝えるだけでは自立した選手にならない。
選手が気付きを得るために、監督はどうあるべきか。
「采配」という言葉は自分で全てやってしまう、思ったことをすべて言ってしまうタイプの指導者が世間には多いことを暗に示しています。
「名選手、名監督にあらず」
では名監督はどこまで考えればよいのか。
答えは一つだけではありませんが、その一例を示したのが落合元監督です。
落合博満氏への講演依頼はスピーカーズまで。