京セラや第二電電(現KDDI)の創業者・稲盛和夫氏。
近年ではJAL再建に多大な功績を残すなど、
日本を代表する経営者として知られ、
講演のご依頼も多数頂いております。
本日ご紹介する講師の著書は、稲盛和夫氏の『生き方』です。
2004年に出版されて以降、100万部を突破。
松下幸之助氏の『道をひらく』(累計500万部!)とならび、
働くこと、生きることのエッセンスが詰まった経営哲学の名著です。
①単純な原理原則がゆるぎない指針となる:
27歳で京セラを創業したとき、経営の素人であったため、とにかく人間として正しいことを貫こうと決意。嘘をつかない、人に迷惑をかけない、欲張らない、自分の事だけを考えないなど、単純な規範をそのまま経営の指針に据え、守るべき判断基準とした。それが成功の理由。込み入って複雑そうに見える問題こそ、原点に立ち返り、この単純な原理原則に従って判断する。
②「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」:
どんなに能力があっても、考え方の方向性次第で人生は決まってしまう。つねに前向きで建設的であること、感謝の心をもち皆と一緒に歩もうという協調性を有していること、明るく肯定的であること、善意に満ち、思いやりがあり、優しい心をもっていること、努力を惜しまないこと、足るを知り、利己的でなく、強欲でないこと。そうしたプラス方向の考え方を持つことが重要。労働には、欲望に打ち勝ち、心を磨き、人間性を作っていくという効果がある。日々の仕事を精魂込めて一生懸命行い、心を磨き、厚みある人格を形成していくことが最も大切。安易に近道を選ばず、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ね、創意工夫する心を持つべきである。
③計画の遂行:
「楽観的に構想し、悲観的に計画(あらゆるリスクを想定)し、楽観的に実行する」ことが物事成就させ、思いを現実に変えるのに必要。
④自ら燃える:
人間には3つのタイプがある。火を近づけると燃える可燃性、火を近づけても燃えない不燃性、自分で勝手に燃え上がる自燃性。物事をなすのは、自ら燃え上がり、そのエネルギーを周囲にも分け与えられる人間。言われる前に自分から率先してやりはじめ、周囲の人間の模範となる。そうした能動性や積極性に富んでいる人。そうした体質を獲得するには、仕事を好きになることが重要。
⑤人格を磨く:
人の上に立つ者は、一に人格、二に勇気、三に能力を備えていること。リーダーこそ、才や弁でなく、明確な哲学を機軸とし、人間として正しい生き方を心がけねばならない。誰にも負けない努力、謙虚で驕らない、反省ある日々を送る、生きていることに感謝する、善行・利他行を積む、感性的な悩みをしない、という6つの精進を心がける。瞬間的に判断を下した場合は、その思いに私欲が混じっていないか自問すること(「動機善なりや、私心なかりしか」)。私心を抑えることは利他に繋がる。
⑥生き方:
一生懸命働くこと、感謝の心を忘れないこと、善き思い、正しい行いに努めること、素直な反省心でいつも自分を律すること、日々の暮らしの中で心を磨き、人格を高め続けること。そのような当たり前のことを一生懸命行っていくことに、まさに生きる意義があるし、それ以外に、人間としての「生き方」はないように思う。
利他の精神を軸とし、人としての誠実さや正しさといった原理原則に基づく人生論・経営論。
ぜひご一読ください!!
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