Speakersでは、講演でも活躍している様々なジャンルの方々の著書をご案内し、本の中身や著者の魅力をご紹介して、講演のご希望があれば、ベストマッチングとなるご提案をしております。ぜひ、このコラムをご覧になり、講演の講師選びの一助としてください。

みなさんも「○○が書いた△△の本」という類の書籍を読んだことがあろうかと思います。しかし、ここで定義している本は「税理士が書いた節税の本」というような専門書ではなく、○○の部分には、△△の専門家ではない、いわゆる“お隣さん”が該当する本です。

つまり「板前が書いたフレンチの本」「大工が書いたインテリア選びの本」などで、専門家ではないが決して“素人”ではない立場の人がいったいどんな視点で書いたのか、強い関心が寄せられるわけです。同様に、「外国人が書いた日本史の解説書」なども、広い意味で同じジャンルの本として、根強い人気があります。

ネットで検索しても『人事屋が書いた経理の本』(協和醗酵工業:著)、『東大生が書いた「国語」のことを感動的に好きになる本』(長谷川裕:著)や、将棋のプロ棋士である故・米長邦雄氏が書いた『碁敵が泣いて口惜しがる本―“将棋の天才”が発見した囲碁必勝の秘訣』など、ともすれば狭くなりがちな専門家の視野にはない、オルタナティブな視点で書かれた内容は、実に新鮮な気付きを与えてくれることが多いのです。

そのような中、「え?あの高須先生が、健康法の指南書を書いたって?」と聞き、その本を手に入れました。

日本を代表する美容外科・高須クリニック院長の高須克弥さんが、美しさを保つための指南書ではなく、昨今、巷に溢れかえっている危ない健康法への妄信に対して、警鐘を鳴らすべく筆をとったのが『その健康法では「早死」する! これが高須式〔若返る〕食べ方・生き方』(2012年9月 扶桑社刊)です。

世界各国の形成外科学会や美容外科学会でも講演を多く手がけている、わが国の美容外科医の代名詞ともいえる存在で、新しい施術法があれば、まず自分自身の体を使って、その術式や薬剤の安全性を試すという高須氏。

その信念のもと、顔の皺取りだけでなく、彫刻家が大理石を刻むように皮下脂肪部分を利用し、理想のボディを掘り出すボディデザイン法である「ミケランジェロ」も自分の体で試しました。

筋肉ではなく脂肪によるボディビルダーのような体の持ち主となった“脂肪マッチョ”として、多くのメディアの話題をさらいました。

そして、最近では、漫画家・西原理恵子氏との大人の交際まで週刊誌報道される若さを誇っている高須氏に、ちょっと興味が湧いてしまい、遅まきながらこの本を紐解いてみました。

高須氏が、それまで手がけなかった健康法に関する本を上梓した最大の理由は、なによりも医師の良心として、○○健康法のなかでも、特に疑問に思うものに対して、物申さずにはいられなかったからです。

そして、過度のダイエットの弊害を指摘。強迫観念に駆られて、標準体重以下であるにも拘わらずダイエットを行うことは、「死」に近づいていると。さらに、カルシウム不足による精神への影響、女性における不妊症、こんにゃく・リンゴ・トマトなどに頼る「単品ダイエット」による栄養失調の問題を指摘しています。

さらに、小太りであるほうが長生きできることを、厚生労働省や東北大学が行った調査結果をもとに解説。40歳時点の体格において、BMI値が平均よりも太り気味とされる25以上30未満の男女が、一番余命が長いとして、人体における体脂肪の有用性を強調しています。

このほか、本書では様々な「目からウロコが落ちる」データを様々に紹介。

例えば、肉食によって血管にコレステロールがたまり、脳卒中や心筋梗塞が増加したというのはまったくの誤解であるという高須氏。脳内の太い動脈にコレステロールが詰まるタイプの脳梗塞は欧米型のもので、日本人に多いのは、動物性蛋白質が不足して脆くなった細い血管が詰まったり切れたりして起こるタイプの脳疾患であると説明し、それには肉食が有効であるとしています。

また、コーヒーによるボケ防止・脳の活性化・がん予防などの有効性や、老化防止のストレッチなどを紹介。

そして、美容外科医としての一言にも注目してください。

「人間の外見は内面によってのみ、形づくられるのはありません。外面から内面が形成され、美しい外面は美しい内面をつくります。健康な外面なくして健康な内面もありません」とは本文190ページ冒頭の言葉ですが、まさに高須流の極意がここに込められているといっても過言ではないでしょう。

前述の「ミケランジェロ」施術によってミラー効果で元気になり、心に余裕が生まれて、すべての日常生活が楽しくなることなどを含め、心身の健康を総合的に考える上で一読してほしい一冊といえます。

Speakersでは、本の内容のさらなる詳しい話をお聞きになりたい方や、関連したジャンルの講義を聴きたい方のために、講師として、高須氏をはじめ様々な専門家にアプローチをして、講演のマッチングをしています。

『その健康法では―』をお読みになった方で、高須氏のファンになりぜひ会いたい、本に書かれていない話が聞きたい方をはじめ、高須氏に直接質問してみたい方など、お気軽にお問い合わせください。