2月20日放送のTBS系列「金スマ」に、今年の箱根駅伝で優勝した青山学院大学陸上部監督で、全国から講演依頼が寄せられている原晋氏が出演されました!
かつて中国電力の”伝説の営業マン”として活躍し、監督経験がないままに青山学院大学の陸上部監督に就任された異色の経歴の持ち主です。
そして、原晋氏の著書『逆転のメソッド』が近日中に発売となる模様。
同番組では原晋監督がチームを優勝に導いた「人をやる気にさせる、成長させる、成功への方程式」が紹介され、Speakers講師のメンタルトレーナー・田中ウルヴェ京氏が解説を加えられていました。そこで本日は、スポーツおいてはもちろん、ビジネスや教育・育児においても応用可能な原マジックのメソッドをご紹介いたします
原晋氏は、高校・大学と陸上に打ち込み、実業団では中国電力の陸上部に入ったものの、故障により26歳で競技を引退した経歴を持ちます。
その後、営業マンとして社内トップの成績を残すなど大活躍をされ、35歳で広島に念願のマイホームを建てました。そんな折、かつての陸上部の後輩から青山学院大学駅伝部の監督就任について打診をされたのです。
監督経験のない原晋氏になぜそのような話が舞い込んだかというと、その後輩に対して飲み会の席などでも陸上に対して熱く語ることがあり、競技への情熱は失っていないように思われたという点はさることながら、そもそも弱小チームの監督とあって条件が厳しく、誰にも引き受けてもらえないような状況だったそうです。
しかし、原氏には故障で陸上を諦めざるを得なかったことへの悔しさが残っており、マイホームを建てて1年半しか経っていないにもかかわらず、反対する奥様へ懇願して15年勤めた会社を辞め、監督就任を決めました
就任時の大学へのプレゼンで、原晋氏は3年で箱根駅伝出場、7年でシード権獲得、10年で優勝争いのできるチーム作りを掲げました。一方で大学からは、3年で箱根駅伝出場が叶わなかった場合、廃部にするというドラマのような条件を課されます。
原監督は、就任当初の3年間、部員に対して過酷なトレーニングを義務付け、中には退部者も出たそうです。ところが結果は伴わず、大学からは予定通り廃部の話まで出るなかで、原晋氏はあと1年で結果を出すと続投を懇願し、なんとか承認されたのでした。
結果が出ないのは何かが良くないからだと考えた原晋監督は、まず育成方針の見直しを図ります。昔ながらの根性論・精神論偏重にあった陸上界において、むしろ部員が陸上を楽しめるような環境づくりに着手したのです。
そこで、原晋監督がチームに魔法をかけた「成功への方程式」が以下の3つです。
① 会話によるコミュニケーションの向上と連帯感の醸成:
奥様と一緒に入寮された当初、部員たちは食事時もそれぞれの世界に浸って会話もなかったとのこと。そこで、まずは日常的な会話によるコミュニケーションの向上を指示し、学年に関わらず平等に清掃等の当番を行わせました。
★田中ウルヴェ京氏によれば、これは「コネクテッドネス」と言われ、何かを共有してチームへとつながる意識や連帯感を高めさせることで成果をあげる手法で、企業でも営業成績を上げるためのメンタルメソッドとして取り入れているところが多いそうです。
② 徹底した目標管理:
営業マンとして活躍していた頃、原晋氏は会社から課せられた年間の売上目標に対し、それを1ヶ月・1週間単位に細分化し、目標を管理していました。この経験をもとに、部員たちにも記録や縮めたい秒数などの具体的な数値目標を設定させ、そのために何をすべきかをノートにつけさせるとともに、月一回のミーティングでチームとして共有するようにしていきました。一つの目標に対して達成に向けた自分なりの理屈をつけさせる、考えさせることがモチベーションにつながるとのこと。
★田中ウルヴェ氏の解説によると、小さな目標であれそれを達成する成功経験が、何よりも選手としての自信を育むのだとか。これは育児においても同様で、子どもの成長のためには、まず親が小さな目標を掲げてそれを達成する喜びを体現することで、子どもも自ずと目標を達成していけるようになるそうです。
③ 明るい会話力・表現力のある人材をスカウトする:
弱小チームであった青山学院大学には、高校でトップクラスの成績をあげている選手は入ってくれません。そこで原監督はスカウトの場で、青学に入った場合にどのような活躍ができるか等のビジョンについて、明るく表現力豊かにプレゼンできる選手を採るようにしました。そうした会話力のある選手は、チームに円滑なコミュニケーションと明るさをもたらしてくれるのだとか。その顕著な例が、今年の箱根駅伝で新・山の神と称された神野選手。原監督が高校時代は無名であった宝の原石を獲得できたのも、明るく自身のビジョンを語ることのできる神野選手の会話力に惹かれてのことだったのです。
★同じく田中ウルヴェ氏によれば、人は笑顔でいることが能力発揮につながるそうで、困難な事態に対しても笑顔で対処することで、建設的な思考が生まれやすくなるとのこと。こうした明るさをもたらす選手の加入によって連帯感が高まり、チームとして目標達成に向けた前向きなアプローチが可能になったのだと思います。
こうして原晋監督の明るく強いチーム作りは就任から11年かけて花開き、創部97年目にして初の栄冠を青山学院の駅伝部にもたらしました。
それでも、「99.9%は泥臭いことをやっている」と語る原監督。
日頃の過酷な練習量を認めつつ、だからこそ試合では楽しむようにしているそうです。
決して自由奔放にやらせるのではなく、一定の規律を基盤として、部員たちが陸上を楽しめる環境を整える原マジック。
番組では、そんな原監督の「心の支え」であり、部員たちにとっての母親的な役割を果たしながらチームを盛り立ててこられた奥様の姿も印象的でした。
企業や教育機関の多くの皆様に、原晋監督、田中ウルヴェ京氏の講演会はオススメです
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