Speakersでは、講演でも活躍している様々なジャンルの方々の著書をご案内し、本の中身や著者の魅力をご紹介して、講演のご希望があれば、ベストマッチングとなるご提案をしております。ぜひ、このコラムをご覧になり、講演の講師選びの一助としてください。

 

保守派と呼ばれる多くの女性論客のなかで、いまやその代表格はジャーナリスト・櫻井よしこ氏といっても過言ではないでしょう。

 

櫻井氏が「全国区」の顔となったのは、1980年5月から1996年3月まで、日本テレビ系深夜の報道番組『NNNきょうの出来事』のメインキャスターを務めたことにあります。

 

今でこそ、女性キャスターの活躍は珍しいものではなくなりました。しかし、番組就任当初は、アシスタント主体であったそれまでの女性アナウンサーとは違う、キャスターとしての櫻井氏の存在は、非常に先駆的でした。

その温かみ溢れる声で、語りかけるようなテンポは、ニュースを心地よく聞かせ、上品な大人の女性の佇まいが視聴者の印象に残り、大いに注目されたものです。

 

しかし、櫻井氏が、保守派の女性論客の一人として、より一層活躍しはじめたのは、『NNNきょうの出来事』を降板し、本来のジャーナリストとして、各メディアで、歯に衣着せぬ数々の発言をしてきたことにあります。

その論跡を辿ると、軍備や憲法問題をはじめ、政治家の靖国神社参拝問題や従軍慰安婦問題、南京大虐殺の有無など、まさに「ウルトラ・コンサバティブ」といってもいいスタンスを披露しています。

 

そんな櫻井氏が、自分自身について語った初めての一冊となる『迷わない。』(2013年12月 文春文庫)を上梓しました。

 

本書では、「笑顔は優しいけどちょっと近寄りがたいかも」と思われがちな櫻井氏の素顔が紹介され、そこには一人の働く女性の歩みが描かれ、決してイデオロギーに囚われた存在でない、自分の信念に基づいてひたすら力強く人生を歩んできた人物であることが分かります。

 

多方面で活躍する櫻井氏ですが、本書のタイトル『迷わない。』は、仕事だけで培った確固たる信念を表した言葉ではありません。

 

メディアで受ける櫻井氏の印象は、エリートコースを颯爽と歩んできたキャリアウーマンの鑑のように受け取られがちですが、その実像は極めて地味で華やかさとは縁遠いものでした。

 

父親とは疎遠な幼少時代を過ごすも、ハワイで実業家として成功を収めたそんな父をたずね、同居し、ハワイ大学で学びます。

しかし、事業を撤退し日本に帰国する父との意見衝突により、タイプライターと辞書以外の“援助”もなく、異国の地で実の親から文字通り無一文で放り出されてしまうのです。

 

それでも櫻井氏は挫けませんでした。それは、18年間育ててくれた母から、「迷わない」価値観が受け継いでいたからです。

「迷わない。大事な局面であればあるほど、迷わない。そして希望を持ち続ける勇気を失わない。こうしたことは母の偉大さが私に植え付けてくれた価値観です」と、決断のとき、必ず道は開けるという確信を身につけていました。

 

それからの櫻井氏は、まさに何事にも恐れず怯まずに邁進していきます。

奨学金と翻訳のアルバイトで生計を立てながら、ハワイ大学を卒業。最初の勤務先である英字新聞『クリスチャン・サイエンス・モニター』東京支局は、支局長と2人だけのオフィス。そして、決して高給ではない報酬ながらも、自宅アパートに集う記者仲間と議論を重ね、切磋琢磨して「筆」を磨いてきました。

 

フリーランスになってからの初仕事も赤字で、決して順風満帆なスタートではありませんでしたが、着実に筆力を高め、徐々にその名前は、知る人ぞ知る存在になります。

そうして訪れたチャンスが『今日の出来事』へのレギュラー出演で、以降の活躍は誰もが知るところです。

 

実生活で、ジャーナリストとしての忙しい毎日は変わりませんでした。

その傍らで、自分に「迷わない」生きる強さを教えてくれた母の、どんどん老いていく姿にも接し、より感謝の気持ちを強くしていきました。

 

そんな母が95歳で病に倒れ、以降「要介護」の生活を余儀なくされるも、その母と時間を共有することで、一人の女性としての母への感謝を改めて知ることになります。

 

同時に、親の介護は、息子のお嫁さんがするのではなく、実の娘が担うほうが、双方とも構えないで暮らせるため、多忙を極める日々でありながら、櫻井氏は「迷うことなく」母の介護に当たることを決意します。

 

介護の様々な試行錯誤の末に、現在100歳を超える母親の笑顔が以前よりも多くなり、そのことが何よりも幸福であることに気付きます。母が何事にも全力で生きてきたことに倣い、「私も迷わずに全力で生き続けたいと願っています」と本文を結び、生きていくうえで何よりも欠かすことが出来ない屋台骨を得たことを、櫻井氏は実感するのです。

 

そんな櫻井氏の歩みと、様々な思いが込められた言葉の数々が込められた『迷わない。』は、自分を見失い生き方に悩む女性をはじめ、介護に直面している多くの人に対して、大きな慰めと励ましとなり、共感を与えてくれるのです。

 

Speakersでは、本の内容のさらなる詳しい話をお聞きになりたい方や、関連したジャンルの講義を聴きたい方のために、講師として、櫻井よしこ氏をはじめ様々な専門家にアプローチをして、講演のマッチングをしています。

『迷わない。』をお読みになった方で、櫻井よしこ氏のファンになりぜひ会いたい、本に書かれていない話が聞きたい方をはじめ、櫻井よしこ氏に直接質問してみたい方など、お気軽にお問い合わせください。

 

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