Speakersでは、講演でも活躍している様々なジャンルの方々の著書をご案内し、本の中身や著者の魅力をご紹介して、講演のご希望があれば、ベストマッチングとなるご提案をしております。ぜひ、このコラムをご覧になり、講演の講師選びの一助としてください。

私の知人に、50歳代でありながら、実年齢よりも15歳若くみえる男性がいます。
彼の最大の特徴は、顔の肌つやがよいこと。しかし、女性のようにフェイシャルケアなどを一切することなく、毎朝普通の石鹸で顔を洗い、カミソリでヒゲを剃ることしか、顔の手入れをしていません。
それなのに、年下の女性よりも肌のきめが細かい理由を尋ねてみたところ「定期的に睡眠不足解消している」と答えてくれました。

彼は、20歳代から現在に至るまで、日常生活でも終電で帰宅し、朝早く出社するので、常に睡眠不足の日々を送っているのですが、土日はひたすら“爆睡”しているのです。
それだけではなく、暮れから正月、ゴールデンウイーク、お盆の夏季休暇中にも、一切レジャーにでかけることなく、睡眠三昧で過ごし、休み明けには心身ともに清清しくなり、仕事にあたっているとか。

その睡眠も、床にゴロリを寝転がるような中途半端なものではなく、きちんとパジャマに着替え、とことん干してフカフカになった布団に寝て、日々新しい布団に換えるという徹底振りで臨む睡眠だとか。
それを繰り返して、女性も凌駕する肌つやを維持してきたのですが、その話を聞いて、順天堂大学医学部教授・小林弘幸氏が2011年に著した『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』を読み、彼の健康法の成果について、大いに納得させられたのです。

『なぜ、「これ」は―』のサブタイトルに、「副交感神経が人生の質をきめる」とあります。そして、オビには、「自律神経のコントロールが体の免疫力を最大限に引き出すことを、医学的に解き明かした画期的な書」とあります。
ご存知のように、自律神経系は交感神経と副交感神経の2つの神経系からなり、交感神経系は、内臓を活発化させ体をアクティブに動かし、副交感神経は、体をリラックスさせる役割を果たします。そして、“アクセル”の交換神経と“ブレーキ”の副交感神経の2つが、両方ともに高いレベルで機能することによって、根本的な健康を確保できるというのが、小林氏の主張なのです。

副交感神経の働きをもっと分かりやすい言葉で表すならば「回復力」といってもいいでしょう。睡眠などで副交感神経が活発化すると、リンパ球が増え免疫力がアップするので、アスリートなどは十分な睡眠をとって、痛んだ体をメンテナンスし、最高のコンディションを手に入れようとするのです。
前述の男性は、まさに睡眠による“お手軽人間ドック”を励行していたため、健康な肌つやを手に入れていたのです。

体調が優れないとき「よし!栄養ドリンクを飲んで元気を出そう」「みんなで焼肉でも食べて気合を入れよう」と考える人は多いと思いますが、これは順序を間違えた回復法といえます。
栄養補給の前にやらなければならないのは、まず体を休めること。睡眠は、前述のようにいわばミニ人間ドックであり、寝ている間にメンテナンスを施して、体の仕組みを整える作業なのです。
人体も機械と同様に、メンテナンスが終わってから動力(栄誉補給など)をオンすることで、正常に機能します。たっぷり睡眠をとったあとに、おいしい料理で栄養をつけなければ、弱った胃腸に余計な仕事を押し付けるだけで、十分な効果を得ることは難しいでしょう。

同じように、アクティブなジョギングよりも、よりのんびりとしたウオーキングのほうが、緊張や興奮を司る交感神経の働きが弱いため、相対的に余裕や安心を司る副交感神経を活発化させます。特に中高年には向いている健康法であるといわれる所以なのです。同様に、ヨガの深呼吸の自律神経活発化に有効であるとも。

そのほか、副交感神経系の働きをアップさせることで、糖尿病や高血圧予防になり、そのための生活習慣として、十分な水分補給と、規則正しい食事をあげていますが、これは自律神経のバランスを保つことを目的としたもので、その根拠を明確にしているところに大きな説得力があります。

健康法には様々な考え方、手法、ジャンルがありますが、以下の2つに大きく分けられると思います。
一つは、持論に基づいた、いわゆる単品健康法です。「○○を摂ると□□にならない」「××体操で△△がなおった」など、枚挙に暇がありません。
しかし、これは、出ては消えを繰り返しており、ほとんどが定着したことがなく、その健康法を主張している人も、有名タレントであったり、医者ではないスポーツトレーナーなどであったりと様々。
いわゆる素人が、自身の経験に基づき、実践した結果を、一部分的な医学的根拠に結び付けて主張しているものも多く、中には、健康食品メーカーとのタイアップもあるため、非常に注意して捉えなければならないと思います。

そして、もう一つは、医師がエビデンスに基づいて述べる健康法です。
しかし、これもそれぞれの常識に囚われがちであり、特に臨床医の場合、ジャンルの違う同志で見解がぶつかると、ただの健康法論争で終わってしまいがちなのです。

しかし、様々な臨床医学のベースであり、共通項である基礎医学に則った健康法は、非常に説得力があります。
小林氏は、本書7ページにおいて「本書は、近い将来、医学と健康の常識になるであろう『自律神経のコントロール法』を医師が書いた最初の一般書になると自負しています」と語っています。
まさに、その後小林氏、現在までに、本書の考え方を実践・応用した内容の本を何冊も上梓しており、同じ考えを持つ他の医師も、同様の書籍を出版しています。これからの健康生活の有るべき姿と指針を表した一冊であることに間違いありません。

Speakersでは、本の内容のさらなる詳しい話をお聞きになりたい方や、関連したジャンルの講義を聴きたい方のために、講師として、小林氏をはじめ様々な専門家にアプローチをして、講演のマッチングをしています。
『なぜ、「これ」は―』をお読みになった方で、小林氏のファンになりぜひ会いたい、本に書かれていない話が聞きたい方をはじめ、小林氏に直接質問してみたい方など、お気軽にお問い合わせください。
アンチエイジング、健康、美容といったテーマの講師をお探しなら、小林弘幸氏をはじめ、おおたわ史絵氏朝倉匠子氏森理世氏といった講師がオススメです。